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部屋づくり、ときどき旅行記

鉄フライパンは育てなくていい。洗剤で洗う。

鉄フライパンを使って5年くらい経ちます。鉄フライパンってメンテナンスが面倒そうというイメージが強いですよね。「洗剤で洗ってはいけない」とか「時間をかけて育てる」とか「油で(醤油で!)コーティング」とか……どうも誤解が多い気がします。

実際には、慣れは必要であるものの、大して面倒なことはありません。そのあたりを書いてみたいと思います。ただ、私が持っているのは窒化加工の鉄フライパンなので、スキレットとかはまた違ってくるかなとは思います。

個人的に鉄フライパンの良さは、長持ちする。これに尽きます。焼き加減、味わいなどがどの程度違ってくるかは正直わかりません(汗)が、テフロンと違ってしょっちゅう買い替えなくていいし、ゴミを増やす罪悪感がないというだけでも十分です。

鉄フライパンを快適に使うためには、基本的に「しっかり予熱する」「汚れを残さずきれいに洗う」。この2点に気をつければまず問題ありません。「育てる」必要はなく、特別なメンテナンスもいらないと思っています。あとは強いて言えば、調理中は火を強くしすぎないことも大事かなと思います。

1)しっかり予熱する

しっかり予熱をしないと100%くっつきます。先に空焚きで熱くしてから油を入れてなじませます。油分がないと100%焦げるので、表面にまんべんなく油を馴染ませることも重要です。油返し(1回油を捨てること)は初回以外は別にしなくて大丈夫だと思います。

具材をフライパンにのせてみてくっついてしまうようなら予熱不足です。くっついたら、しばらくいじらず放置する(温度を上げる)と剥がれやすくなります。食材をたくさん入れてすぐかき回したりすると、鉄の表面温度が下がってくっつきやすくなるので、一呼吸置く、すぐには触らない、といった工夫もときには必要です。このへんは使っていくうちに慣れると思います。

テフロン加工のフライパンのように冷たい状態で具材をのせてゆっくり焼いていく、といったことはできませんが、一度熱くして油を馴染ませたフライパンを濡れ布巾などで少し冷ましてから焼いていく、という使い方はできます。これでホットケーキもきれいに焼くことができます(これは食材によるかもしれません、肉類は難しいかも)。

2)汚れを残さずきれいに洗う

YouTubeなどでたまに、油を何度も焼き付けることで表面がコーティングされ、くっつかなくなる、といったような解説が見られます。これを油膜コーティングという人もいます。油ではなく醤油を焼き付けてコーティングするとよい、という主張もありました。

私も騙されて(?)やってみたことがありますが、これって単に「コゲ=炭」の層をフライパンの表面に作っているだけのように思いました。確かに最初は食材がくっつきにくくなるんですが、しばらくすると表面のコゲがポロポロと剥がれてきて料理に混じってくるし、一部は頑固なコゲとなって張り付き、洗っても取れなくなってしまいます。さらにはコーティング(実際にはコゲ)に料理の匂いも染み付きます。

上記のように強制的に「コーティング」をすると、やがて剥がれてこんな感じになってしまう…これはたぶん、使い方として間違っている。

おそらくですが、「油膜」という言葉が勘違いの元なのかなと。よく鉄フライパンには「油膜」が必要と言われますが、これはベトベトの油を表面に残しておく、という意味ではないと思っています。逆にベタベタの油分を残してしまうと、次に使う際にそこに火が入りすぎて「コゲ」となり、前述のような問題が起きてしまいます。

しっかり予熱→油を馴染ませる、という工程をやれば食材がくっつくことはないし、その後に洗剤で洗っても表面には光沢が残ります。これが油膜と呼ばれるものかどうかはわかりませんが、これで使用上の問題はまったくありません。

つまり一部のネット情報にある、ベタベタの油をあえて残して焼き重ねることで表面をコーティングするといったような「育てる」工程は一切必要なく、毎回ちゃんと予熱して油を馴染ませればいいということです。そして使用後は、(料理に使った油の)油分や焦げ付きを残さないようにキレイに洗うこと。私は手でさわってベタベタや焦げ跡などが残ってないかを毎回確かめながらしっかり洗っています。

こうするようになってからはとっても快適な鉄フライパン生活が送れるようになり、コゲや匂いに悩まされることもなくなりました。

これが今の鉄フライパンの状態です。ヘリの部分は洗いにくいため、黒い焦げが残ってしまっていますが、直接焼く部分ではないのでまあいいかと思っています。

表面をさわるとツルツルとサラサラの間くらいの感触で光沢があります。トマトや酢を使った調理をすると、酸化皮膜というのが剝がれるらしく、表面が白っぽくなりザラついた手触りになるのですが、次に使うときにしっかり予熱して油を馴染ませれば、また問題なく使えるようになります。

あともう1点、調理のコツとしては、強火にしすぎないことかなと思います。これはメーカーのサイトにも書いてあります。鉄フライパンは温度が上がりやすいので、火を強くしすぎると単純に焦げやすいんですよね。なので、ものによりますが、普通の炒めものはやや弱めの中火でやることが多いです。

以上、いろいろ書くと面倒そうに感じられますが、要は「しっかり予熱し、油を全体になじませてから食材を入れ、強すぎない火で調理し、調理後は表面に油分や焦げが残らないようしっかり洗う」。これだけです。「育てる」必要はまったくありません!

※ちなみに我が家のコンロはセンサー付きで、高温になりすぎると勝手に弱火になります。私はこれを予熱ができたサインとしています。センサーが稼働したら油を入れて馴染ませて少し待ちます。手をかざすとモワッと熱く、油表面に筋ができる(波打つ)感じになると食材を入れる頃合いです。

※洗う際は、スチールとスポンジを組み合わせた下のようなコゲ取りスポンジを使います。テフロンと違ってガシガシ洗えるのも鉄フライパンの良さですね。タワシを使う人も多いですが、個人的にはどうしても洗い残しが出てしまう気がします。軽めの汚れは洗剤は使わず、ギトギトのときは洗剤を使います。

愛用しているフライパンはこちら。大小で2つ持っています。何年も使っているのですっかり元は取れています。

実は面倒くさくない鉄フライパン、おすすめです!